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なるべく歯を削らない、神経を取らない、歯を抜かない治療を心がけます

歯のライフサイクル 〜 今までのむし歯治療の反省

基本的に、ヒトは傷を自分で治すという力を持っています。切り傷が治ったり、骨折したところの骨がくっついたりというものです。しかし、残念ながら歯は、穴のあいたところが自然と埋まっていくということがありません。
そこで、むし歯を「早期発見・早期治療」するという考え方が生まれました。僕も二十数年前に、大学ではそういう教育を受けました。

当時、奥歯では、いわゆる銀歯で治すことが普通でした。その際には、むし歯になった部分だけではなく、なりそうな部分(この時点ではむし歯ではない部分です)も含めて被せる事となっていました (予防拡大といいます)。

細やかなむし歯の診断や発生原因の検討もないまま歯を削ったりしたことも、あったかと思いますが、良かれと思ったむし歯の治療が、歯が残らないという事になってしまいました。

早期に歯を削ったりすると、その治した部分からむし歯になりやすくなってしまい、どんどん歯を削らなくてはいけなくなる可能性が出てくるというものです。

2000年、FDI(国際歯科連盟)がMIという概念を提唱します。このMIとは、minimal interventionの略語で、「最小限の侵襲」を意味します。これは、今までの予防拡大や削って治すという中心の治療から、むし歯菌に感染している部分を最小限に除去し(もしくは縮小させ)、歯の保護を基本とした治療を行うという概念です。

『う蝕治療のガイドライン』

日本においても、このMIの考え方を受け「う蝕治療のガイドライン」が日本歯科保存学会から発表されました(第1版は2009年、第2版は2015年に公開。第3版は2020年に公開予定)。

この中で、削って治す必要があるむし歯は、以下の5条件と示されました。

  1. 歯面を清掃乾燥した状態で肉眼あるいは拡大鏡でう窩(むし歯の穴)を認める。
  2. 食片圧入や冷水痛などの自覚症状がある。
  3. 審美障害の訴えがある。
  4. エックス線写真で象牙質層の1/3を超える病変を認める場合。
  5. う蝕リスクが高い。

ですから、むし歯になってはいますが、このガイドラインにおいて削る必要がまだないと判断された場合には、経過観察とそれ以上むし歯が進まないようにすることをご相談します。
「えっ!? むし歯をそのままにしておくのですか?」とお話される方もいらっしゃいます。ですがこのガイドラインにならい、生涯にわたって歯を出来るだけ残すために、状態をご説明しご理解いただいています。

オリエント歯科ではこのガイドラインにならい、まず、なるべく歯を削らない治療を心がけています。

ところで、歯髄(歯の神経)って何?

歯にむし歯ができると痛みを感じますよね。これは、歯の中の歯髄(しずい)と呼ばれる部分に、神経が通っているからです。歯髄には神経の他に血管が通っています、この硬い歯にも血が通っているんですよ。これで、歯に酸素を運んだり、免疫などの防御反応を伝達するなど重要な役割をしているのです。
 
歯の神経がなくなると痛みは感じなくなります。しかし、歯の神経を取り除くということは、血管を含め歯髄全体を取り除くことになります。
そのため、神経を取り除いた歯は、血が通わなくなり栄養などが届かずに、歯の物性が著しく落ちてしまいます。例えるなら、枯れ木のようになってしまうということです。神経のある歯が生木です。生木と枯れ木の差って、歴然ですよね。生木はしなりがありますが、枯れ木はポキッておれてしまいます。
また、歯の神経がないと、再びむし歯になったときに痛みを教えてくれないので、その発見が遅れてしまうことが考えられます。

 

歯の神経(歯髄)は、出来るだけ取らないようにすることが大切な事が分かります。オリエント歯科では、なるべく歯の神経を取らない治療を心がけています。

なるべく神経を取らないために

まずは歯の状態を詳しく調べることが大切です。どのような痛みがあるのか、どのような経過をたどっているのか。だまっていてもズキズキとするような痛みがあるようであれば、残念ですが神経を取らなければならない可能性が高いでしょう。また、その歯を叩いたときに、飛び上がるような痛みがあっても同じように神経を取らないといけません。また、レントゲン写真でむし歯と神経の位置がとても近いだけではなく、根の先に黒い影が拡がっている場合にも神経を取る可能性が高くなります。
このような状態でなければ、神経を取らなくてすむかもしれません。その治療の際には、むし歯を染め出す薬(う蝕検知液)を使用します。染め出されたむし歯を慎重に削っていきます。これは削りすぎや削りもれがないようにするためです。
実際のところ、慎重にむし歯の部分を削っていっても、神経のところに穴があいてしまったり、それに近い状態になってしまうことも少なくありません。そのような場合、接着性の材料を用いて塞ぎ(違う薬を用いることもあります)、1ヶ月ほど経過をみます。治療の際に神経の部分から出血が止まらない場合や治療後に痛みの続く場合には、神経を取らなければいけません。

また、神経の近くまで進行してしまったむし歯に対して、悪くなった部分を全て取り除けば神経が露出し、神経を取らなければいけない可能性がある場合、感染した部分を一部残し、薬を貼付して、感染部の治癒を図る治療があります。AIPC(非侵襲性歯髄覆罩)と呼ばれる方法です。 貼付する薬の効果によって、①むし歯菌が減少する、②感染した歯質が再度石灰化する、③むし歯の下に新たに象牙質が作られる、ということが起きます。

オリエント歯科では将来的な歯の寿命を考えて、なるべく神経を取らない治療を心がけています。

なるべく歯を抜かないために

通常、歯ぐきの奥深くまでむし歯が進行していたり、歯が折れるなどして歯の根だけが残ってしまうと、抜歯になる場合がほとんどです。しかし、歯ぐきに埋まっている健康な部分を利用すれば、歯を抜かずに治療することができるかもしれません。

・矯正的挺出法(エクストリュージョン) 歯ぐきに埋もれた歯の根を、上に引っ張り出す治療法です。

 ・外科的挺出法
歯ぐきに埋もれた歯の根を一度抜き、浅めに植えなおす治療法です。

 ・クラウンレングスニング
 歯ぐきに埋もれた歯の根を、手術で掘り起こす治療法です

オリエント歯科では患者さんの希望をお聴きし、なるべく歯を抜かない治療を心がけています。

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院長 安井丈富のブログです。医院でのこと、研修会参加、歯科に関する情報、プライベートなどについてつづります。